熟年離婚とは

熟年離婚の現状

熟年離婚とは、夫婦の年齢によって分類されるものではなく、「長年連れ添い、結婚生活(人により解釈が異なりますが、一般的には20年以上とされます)を続けてきた夫婦がする離婚」のことを意味します。

そのため、50歳で結婚し、60歳で離婚をした夫婦の場合、年齢的には熟年期にあるが、熟年離婚とは言わないということになります。

また、たとえ結婚期間が20年以上であっても、単に籍が入っているだけで、別居期間が長い夫婦がする離婚も、熟年離婚とは呼びません。

※ 結婚期間を基準とするのではなく、子供の養育を終えた後にする離婚のことを“熟年離婚”と呼ぶ考え方もあるようです。

“熟年離婚”には、このような意味があるようですが、注目すべき点は、ここ数年の間で、長年連れ添った夫婦が離婚するケースが増えているということです。なぜ、熟年離婚をする夫婦が増えているのか?

熟年離婚に踏み切った、その原因や理由についてみていきましょう。

 

熟年離婚の原因と理由

熟年離婚の悩み

結婚期間別にみた離婚状況の推移しかみてとれませんが、結婚期間が20年を超える夫婦においては、「妻の方から離婚話を持ち出された…」とされるケースが、圧倒的な数を占めています。

つまり、夫には何ら不満はないが、妻には長年の夫婦生活に不満があった…という捉え方ができるでしょう。

さらに、この熟年離婚にみられる特徴には、もうひとつあります。

それは、日本がちょうど高度経済成長期にあった中で結婚した男女、つまり“団塊の世代”と呼ばれる時代の人たちです。

団塊の世代と呼ばれる男性と結婚された夫婦の間には、「夫は外で働き、妻は家で主婦をこなす」という役割分担がはっきりとしていた面が強く働いていたと共に、かつて日本文化に根付いていた家長という考え方が、夫に絶対的な権力を与えていたため、「妻は夫に従うものである!」という風潮がありました。

つまり、妻である女性は、我慢を強いられていたと言い換えることも出来るわけです。

この世代に生きた女性は、ある意味、自立心や自由への志向も強い…

今では、女性の社会進出も特に珍しくもなく、女性も頑張ればひとりで働きながら自立できるという社会環境が整いつつある今、子供の養育も終わり、定年を迎える夫を機に、再び自立を目指して生きたいと願う女性が増えているようです。

つまり、熟年離婚の原因や理由には、もちろん、性格の不一致や、暴力、浮気…といった夫への不満もありますが、こうした女性の価値観の変化も、多きく影響していると言えるでしょう。

 
 
  ページの先頭に戻る